19.12月追記
視野を広げると、精神疾患というのは発達障害の延長であったり別の側面から分類しただけのもの、ということがわかった。
詳細はこちらの記事。
この記事は、視野が狭い段階で、わざわざ、発達障害と精神疾患を分けて考えたもの、と理解して、読んでみてほしい。

先週、カウンセリングで過去を思い出してから、親への怒りが強くなっているので、自分のためにも、親について客観的に書き出してみる。
私の母は自己愛性パーソナリティ障害の無自覚型(+先天的にASD積極奇異型)、父は自己愛性パーソナリティ障害の過敏型である。
そんな親に虐待をされて育った私も、最近まで自己愛性パーソナリティ障害・過敏型の傾向があった。(私は先天ASD+複雑性PTSD/境界性パーソナリティ障害や自己愛性パーソナリティ障害だったのだと思う)
脳・心・体へのアプローチを試行錯誤した結果、過去と比較して安定しつつあるが、自己愛性パーソナリティ障害の症状は身に覚えがある。
両親、自分、職場の人間…と、色々な自己愛性パーソナリティ障害の人間を見ていて共通する点を挙げる。
追記
ASDと自己愛性パーソナリティ障害に共通する部分もあり、先天ASD+虐待などで脳が更にバグることで、自己愛性や境界性と言われる状態になるのかな、とも思います。
(先天ASD以外でも、自己愛性や境界性と言われる脳の状態になる可能性もあります。
その場合、元が定型発達でも、虐待などによってASDに似た脳になると言えます)
精神疾患は一時的な脳の状態に名前をつけているだけなので、診断名や分類にこだわらなくて良いと、私は思います。
(この記事を書いた時は、分類にこだわっていましたが…)
自己愛性パーソナリティ障害の特徴
- 人を利用する
人を道具のように使う。相手の事情は無視、自分の都合で人を動かしたがる。相手には相手の事情があるという想像ができないのだと思う。
- 目立ちたがる ※無自覚型のみ
常に自分が目立っていないと気が済まない。自己顕示欲が強すぎる。
過敏型の場合は、目立つことを極端に恐れる。
- 想像力が弱い
脳の器質的変化のせいなのだろうが、想像力が弱い。自分の視点からしか物事を見えない。
- 身体感覚が弱い
体の声を聞けない。慢性的に体調不良だったり、栄養不足、睡眠不足、運動不足だったりする。
- 見た目を気にする
身体感覚が無いにも関わらず、見た目を気にするので変なことになっている。以下は全て別の人間の例である。
筋肉不足で有酸素運動は逆効果なのに有酸素運動をして筋肉を落としていたり、栄養不足で肌の乾燥が起こっているのに食生活は見直さずに外から保湿してみたり、栄養不足で筋肉不足になっているのにタンパク質を食べずに筋トレしてみたり。
表面的な部分しか見ないがゆえ、かもしれない。
- 一方的に話す ※無自覚型のみ
他者の感情を理解する脳の部位に障害があるからか、会話が一方的。
相手の反応はおかまいなしで、自分の言いたいことだけ言う。
- 自他境界がない
自分が嫌なこと=他者も嫌、自分が嬉しいこと=他者も嬉しい、と、自分の価値観を他人に投影する。それゆえ、価値観の押し付けが激しい。
- あるがままを見えない
自分の価値観に合わせて現実を捻じ曲げる。
客観よりも主観。一般的な人もそういう傾向はあるだろうが、一般的な人よりも「フィルター」が激しい。
私の母が、自分を発達障害やパーソナリティ障害だと認められないのも、ここに起因する。
いくら客観的なデータ(知能テストの結果など)を見せても、自分の信じたい価値観に沿って現実を捻じ曲げる。
(出現率1%のディスクレパンシーを見せても「誰にでもあるのでは」と言ったり)
- 自分に都合良く記憶を改ざんする
言ったことを「言っていない」と言う。
加害者としての記憶は消去して被害者としての記憶だけしっかり覚えていたりする。
- 人の話を聞かない
自分の中で結論が決まっているので、人の話を聞かない。
全肯定を求めるか、答えを求めるか、極端。
双方向的な会話ができない。
- パートナーを支配したがる ※無自覚型のみ
相手を見下し、「自分がいないと生きていけない」と支配したがる。
パートナーは不安定で被支配を受け入れるような人が選ばれる。
年下、学歴が下、など、自分が社会的価値観で優位に立てる相手を選ぶ。
過敏型の場合は、パートナーに自分を支配してくるような人間を選ぶ。
- 常に自分の凄さをアピールする ※無自覚型のみ
常に、自分がどれだけ凄いかという自慢をしている。
どれだけ勉強ができたか、どれだけ頭が良いか、どれだけ友達が多いか、など。
過敏型も承認欲求に飢えていて、会話の中で自分が凄いというアピールをしてくるが、目立つことが怖いので無自覚型ほど自己主張をしない。
- 自分が絶対正しいと信じている ※無自覚型のみ
自分の価値観、視点、意見が絶対正しいと信じている。異なる意見を聞いても、そういう視点もあるかも、その可能性もあるかも、とは考えず、全否定。
過敏型の場合は、自分は間違っていると自分を全否定している。
- 依存がある
アルコール、買い物、芸能人、など、物質・行為・対人に極度の依存がある。毎日飲酒、毎日買い物、毎日特定の人間を見ないと気が済まない、など。一般的な息抜きレベルを超えての、依存がある。
- 何でも人のせいにする
とにかく自分が絶対正しいので、何かあると人のせい。
聞いてなくても、自分の判断以外の理由でこの状況になった、と、自己正当化の説明をしてくる。
子供の頃を思い出すと、父も母も私も自分の非を認めないので、異常な会話だった。
- 少しでも否定されるとキレる
脆い自尊心なので、少しでも否定的なことを言われたり、低い評価をされるとキレる。
自信満々で魅力的に見える人が自己愛性かどうか判断したければ、ここを参考にしたら良い。
本当に自尊心がある人は、何を言われても平気。
- 常に周りを観察している
自分に自信がある素振りを見せておきながら、常に周りをキョロキョロと観察している。自分を否定する証拠がないか、探しているのだと思う。
これも、本当に自信がある人との違いになる。本当に自尊心がある人は、周りを気にしない。
過敏型は迎合的でキョロキョロしているので矛盾がないが、無自覚型は、自信満々の素振りをしながら周りを観察しているので矛盾がある。
行動に矛盾が大きい人はパーソナリティ障害の危険が高い。
- 心配性
これも、本当に自尊心がある人との見分けになる。
本当に自尊心がある人は、リスクを恐れない。自己肯定的で、前向きで楽観的である。
楽観的な人はリスク回避を重視せず、悲観的な人はリスク回避を重視すると脳科学的にも明らかになっている。
自信満々なのに悲観的な人は、悲惨な過去を乗り越えて自尊心を取り戻した人か、表面上自信があるように振舞っているが、実は自分に自信がないパーソナリティ障害の人間か、である。
自己愛性パーソナリティ障害の人間は、後者である。自信満々に振舞っていても、リスクや危険に反応する脳の働きになっている。
ASD(アスペルガー)との違い
ASDとの大きな違いは、目立とうとするかどうか、嘘をつくかどうか、だと思う。
ASDは
- 「周りが自分をどう思っているか想像できない」
- 「自分では適切に振舞っているつもりが、なぜか、浮いている」
- 「主観より客観的な正しさが何より大事」
という特徴がある。
これらが原因で、目立つつもりがないのに目立っている、正しさにこだわるので、たとえ承認欲求のためでも嘘はつかない。
怒りはあっても「悪意がない」のがASD。(私の母のように良かれと思って過干渉や放置という精神的虐待をしてくる)
「悪意がある」のがパーソナリティ障害(私の父のように、悪意を持って精神的虐待をしてくる)
一方、自己愛性は
- 「周りの空気を読めるが、無視する」
- 「周りより自分を優先させた結果、浮いている」
- 「正しさよりも承認欲求が大事」
という特徴があり、目立ちたくて目立っているといえる。承認欲求を満たすために、平気で嘘をつく。
テレビに出てくる人間に多いと思う(政治家、芸能人など)
ASD+後天的に自己愛性の人間もいるので、どちらか片方に当てはまらない人間もいる。
(根っこにASDがある人間は真面目で空気が読めないが、無自覚型は承認欲求が激しかったり、過敏型は目立つことを過剰に恐れていたりする)
原因
原因として、虐待やトラウマ以外に「父の不在、母の支配」が挙げられるらしい。
片方の親が不在で、片方の親からの精神的虐待や過干渉で自己愛性の傾向が出てくる。
そういった環境で育った、高学歴エリートに多い。
上の世代は「父の不在、母の支配」が当たり前の環境で育っているので、男は自己愛性無自覚型、女は自己愛性過敏型の特徴に当てはまる人間が多い。
支配的で劣等感が強い男と、支配されたがる依存心が強い女とが多数派で、そういったコンテンツに溢れている日本社会は気持ち悪い。
(「ドS」「俺様」など、ただのモラハラ男を美化する風潮が不気味)
ちなみに、父も母も、「父の不在、母の支配」という環境で育っていたようだった。
日本や韓国など、母親だけに子育てをさせるのが当たり前の環境では、パーソナリティ障害の人間が多くなるのだと思う。(家庭の歪さ、長時間労働、競争社会などが重なり、両国とも異常な自殺率の高さ)
終わりに
自信満々な振る舞いをする人がいて、でも何か変だ、本能的に危険な感じがする、という時はこのチェックリストを参考にしてほしい。
全て当てはまらない人間は少なくても、大部分が当てはまる人間は危険だと思う。
反対に健全な自尊心がある人は、当てはまる部分が少ない。
被害者へのメッセージ
自己愛性パーソナリティ障害は脳の器質的変化があるので、気持ちだけではどうにもならない。
被害を受けて困っているなら、離れた方が良いと思う。
自分の身は自分で守ってほしい。
当事者へのメッセージ
私も自己愛性傾向が強かったが、脳を変えることで自己愛性の症状も減ってきている。
病気=治らないと思い込まず、適切な脳へのアプローチで、変化させていけば、今より自分も周りも楽になれる。
まずは自分を好きになって、自分を信じられるようになることから、始めてみてほしい。