こんにちは、KYOです。
今日は、トラウマ経験者や発達障害がある人に必要な、認知行動療法について、解説します。
トラウマ経験者や発達障害がある人は、自分の視点を絶対視した結果、偏った認知によって自分を苦しめやすいです。
それを自覚して認知の修正をしていくことで、日常のストレスが減っていくので、意識すると楽になる考え方を5つ共有します。
物理的に見ると、認知行動療法で前頭前野を鍛えて、冷静さが増してくる、という対処法になります。
(その他の前頭前野を鍛える方法については、こちらの記事を参考にしてください。)
・期待をやめる
・比較をやめる
・投影を減らす
・同一視や先入観を減らす
・過去のトラウマに反応していることを自覚する
の順で解説します。
意識することでストレスが減る考え方、5つ
・期待をやめる
トラウマ経験者だと完璧主義であったり、ASD傾向が強いと「べきねば」が強く、他者への期待や価値観の押し付けが激しいです。
私自身も、親や社会に期待をして、期待通りではないことに怒っていました。
ですが、そういった期待があると自分が辛いだけだと自覚したので、意識的に期待を捨てるようにしています。
他者や社会に期待したり価値観を押し付けるのは、自分が疲れます。
「親なのだからこうあるべき」「パートナーなのだからこうあるべき」「社会としてこうあるべき」という期待があるのは仕方ないですが、
他者や環境は自分の思い通りにはなりません。
「自分自身に集中する(変えられないことより変えられることに集中)」
「嫌なら離れる」という、ストレスを減らして生きていく際に必要な原理原則を思い出して、嫌な人や環境からは離れるしかないです。
私自身の体験談として、
他者を変えようとする干渉は人権侵害だと理解したので、「なぜこうしてくれないの」といった、責めるニュアンスでの発言は控えるようになりました。
そういった責めるニュアンスになる発言を減らして、「こうしてくれたら嬉しかったなぁ」というアイメッセージで伝えるようになったら、人間関係のトラブルが減りました。
我慢して何も言わないのでもなく、相手を責める発言をするのでもなく、適切にアイメッセージで伝えていくのが楽になる方法だと思います。
そして、他者への期待を捨てると、そういった不満を感じる状況も減ると思います。
「仕方ないか…」と、理想と違うことを受け入れられる状況が増えてきます。
日常生活でストレスを減らしたいなら、一番は色々な物事への期待を捨てて諦めることだと思うので、期待や執着を捨てて諦められる物事を増やすのも、ありだと思います。
(全員が諦めてしまうと世の中は変わらないので、理想を追求する人もありだと思います。
その場合は、他者の人権侵害をしないやり方で、理想を追求したら良いと思います)
・比較をやめる
劣等感が強かったり、発達障害があり個体差の認識が弱いと、比較できない物事を比較するクセがある人が多いと思います。
世間の「普通」と自分を比べてみたり、周りの似ている人と自分を比べてみたり、他の社会と日本社会を比べてみたり…
私もそうやって、比較して劣等感を感じたり、不満を感じたりして生きてきましたが、比較しても仕方ないものを比較して自分で自分を苦しめているだけだ、と気付いたので、やめるように意識しています。
そもそも、他者と自分は比べようがないです。
遺伝子も違う、育った環境や食べてきた物による体の状態や遺伝子発現や脳の状態が違う、見てきた物が違うから価値観も違う…
全く違っていて比較しようがないものを無理矢理に比較するから、劣等感が強くなります。
競争社会や単一民族国家ゆえなのかもしれませんが、日本は比較したりされたりすることが多いので、何か1つの基準で比較したり優劣をつけたりすることをやめたほうが、自分が楽になります。
人はそれぞれ違っていて、それぞれに素晴らしい部分があります。
学歴、年収、偏差値、容姿、身長、IQ、などなど、
何か1つの基準で優劣をつけるのは、自分を苦しめているだけだと自覚して、そういったことをやめる人が増えれば、劣等感が強い人は減ると思います。
そもそも、何か1つの基準で人の優劣を決めることはできません。
IQ200でも殺人者だったら、どうなるのでしょうか。
容姿端麗でも身内にモラハラやDVをする人なら、どうなるのでしょうか。
高年収でもブラック企業の経営者で、社会や従業員に悪影響を与えている人なら、どうなるのでしょうか。
何か1つの基準で優劣をつけている人は、資本主義や競争社会に振り回されているだけだと思います。
日本社会には、劣等感が強い→奴隷的な生き方を選ぶ→更に劣等感が強くなる、という人が多いように見えるので(若い人では変わってきているかもしれません)、
不要な劣等感を減らすために、比較をやめることを意識したら良いと思います。
・投影を減らす
定型発達の場合はどの程度なのかわかりませんが、トラウマ経験者や発達障害がある人は投影が強いです。
私も投影が強く、過去の恐怖を投影することで余計にその状況を引き寄せているかも、と自覚したので、投影を自覚してそれに飲まれないように意識しています。
具体例として、人に嫌われることを恐れている人が、過剰に迎合して結果的に人に嫌われているのも、マイナスの引き寄せだと思います。
他者不信が強く、他者に攻撃的になったり警戒したりして、余計にトラブルを引き寄せることもあります。
そういった人たちは「やっぱり他者は信頼できない」「やっぱり自分は嫌われる」と思っているかもしれませんが、そういった状況を自分で引き寄せていると言えます。
何かを過剰に怖がることで不自然な行動が生まれ、望まない結果を引き寄せることも多いと思うので、恐怖や嫌なこと自体を減らすことが必要だと思います。
攻撃を怖がって攻撃的になりすぎて攻撃される、病気を怖がって極端な食事をして病気になる、捨てられることを怖がって「見捨てられないかの確認行為」をして見捨てられる、などなど、怖がることでその結果を引き寄せることは多いです。
「過去に年上の異性の上司にパワハラをされた」という経験を引きずっていて、年上の異性の上司と関わる度にその経験を投影していれば、同じトラブルが起きやすいです。
状況や人物に過剰に反応するとき、「過去のトラウマや恐怖から投影が起こっているかもしれない」と自覚して、その状況や人物に怒りや恐怖をぶつけるよりも、自分の心の中にある怒りや恐怖に向き合うことが、必要だと思います。
恐怖の対象物ではなく、恐怖そのものが問題で、それは、自分で克服できるのです。
・同一視や先入観を減らす
これも定型発達ではどの程度なのかわかりませんが、トラウマや発達障害があると、個体差の認識が弱いと思います。
私の場合だと、Aという人が嫌いだからAのことが好きなBやCまで苦手と思ったり、「日本人は」「男は」「女は」と一括りで考えたり。
そういったことを意識的に減らして、個体差を意識することを増やしていくと、余計なストレスが減るのでは、と思います。
(私もまだ意識し始めたばかりですが)
日本人はこう、男はこう、女はこう、と先入観が強いと、それに当てはまらないものが見えなくて勿体ないと気付いたので、できるだけ先入観を減らす必要があるな、と思っています。
その属性に多い傾向というのはあっても、100%がそうではないので、「そうではない可能性」を意識することで、先入観を克服した物の見方ができるのでは、と思います。
トラウマやASD傾向がある人は自分の見方が絶対と思いやすいので、意識的に「そうではない可能性」を意識することで、自分が楽になると思います。
私もこの意識はやり始めたばかりなので、個体差を意識できていない時もあると思いますが、できるだけ、先入観を減らして物事を見たいなぁ、と思います。
・過去のトラウマに反応していることを自覚する
トラウマ経験者であったり、トラウマが残りやすい発達障害の脳をしていると、過去のトラウマのフラッシュバックが起きやすいです。
過去のトラウマに反応して、過剰に怖がったり怒りを感じたりしていることを自覚して、その状況や人物に復讐しようとするのではなく、自分の過去のトラウマのケアをする必要があると思います。
(トラウマのケアに関しては、こちらの記事を参考にしてください)
過去のトラウマに反応してしまうことは仕方ないです。
(トラウマのケアが進み、反応する状況が減るのが理想ですが)
そこを抑圧しようとすると余計に自分を苦しめるので、それは仕方ないと理解しつつ、それによって悪影響を起こすことを避けたら良いと思います。
キレたり、暴力や暴言に訴えたり、一時的に怒りを発散してスッキリしても、復讐されたり逮捕されたりといった、結果的には自分に悪影響になるようなことを減らすよう、意識すれば良いと思います。
怒りを紙やメモに記録しておいて保留にする、後で発散すると決めて、その時点では保留にする、など。
発達障害やトラウマ経験者は一時的な感情に乗っ取られやすいですが(海馬の発達不全があったり、前頭前野の機能低下があったりするので、仕方ないです)それを自覚した上で、冷静に対処するクセが必要だと思います。
自分自身を大事にするクセがつくと、キレることは減ると思います。
自暴自棄だと、キレて結果的に自分が困る状況を引き寄せやすいですが、自己肯定感を取り戻して、自分を大事にするクセがつくと、そういった、自分が不利になることはできなくなります。
なので、まずは、自己肯定感を取り戻すことが大事なのかな、と思います。
自己肯定感に関しては、こちらの記事を参考にしてみてください。
その他、考え方以外に必要なこと
・物理的な栄養バランスの安定
考え方以外にも、物理的な栄養素の安定による、脳内伝達物質の安定が必要です。
詳細はこちらの記事を参考にしてください。
・環境調整
自分にとってストレスな環境を離れる、合う環境を選ぶということも必要だと思います。
私の場合は外に出ると、うるさい・臭い・眩しいなどでストレスを感じたりして、被害感を感じやすいです。
被害者意識の強さが加害的な意識に繋がりやすいので、できるだけ外に出ないという選択肢を選んでいます。
出る場合には、マスクやイヤホンや帽子などで、感覚刺激を減らしていますが、そこまでして無理に環境の方に合わせなくても、自分に合う環境を選んで、自分に合った生き方をした方が良い、というのが、私の考えです。
さいごに
敵は外ではなく、内にある。
それを意識して、外に敵を作って不要な怒りや恐怖に振り回されるより、
自分の認知や脳の状態をコントロールして、冷静に過ごせる時間を増やした方が、楽になれると思います。
私もこれらを更に意識して、より楽に生きていこうと思います。
認知行動療法について、深く学びたい方にオススメの本