一番理解して欲しい人に理解されず、抑うつ傾向が強くなってきたので、この記事を書く。
言葉で説明しても伝わらないなら、文章で書くしかない。
たとえ、私がこの記事を理解してほしい相手に伝わらなくても、同じように発達障害で苦しむ人の役に立てば、少しは救われる。
筆者は「広汎性発達障害(ASD)」診断済み、母がASDで(積極奇異型で無自覚)、先天ASD+後天的に虐待の影響でADHD傾向がある(過去には複雑性PTSDやパーソナリティ障害もあった。自傷や加害が激しかった)
追記
この場合の「先天」は、虐待の有無とは関係なく、起こった、という意味です。遺伝+環境要因(子宮内のストレス、抗生物質や重金属など)で起こったASD傾向と親の虐待の影響での二次障害は別、という意味で、先天という表記にしました。
そんな筆者の、個人的なケースであるため、全ての発達障害の人が同じ状態ではないことを理解して欲しい。
ただ、どの当事者も、障害が目に見えないだけで、本人は苦しんでいるということを理解してあげて欲しい。
辛さを理解してくれる人がいるだけで、当事者は楽になるので…
以下に、私の場合の困りごとと、対処法とを書いてみた。
困りごと、私の場合
感覚のわからなさ
暑い寒いなどの調節が難しい。どういう格好がちょうど良いのか、わからないため、条件による結果で判断するしかない(日常が人体実験…)
例えば、寝る際にパジャマがあった方がいいのか、ない方がいいのかと悩んだ時。
定型発達で感覚が使える人なら、どちらが心地よいかで選べるのかもしれない。
なんとなく、パジャマがあった方が落ち着くからと着て寝ていたが、着ていると寝起きの目の充血が激しい。
どうやら、寝ている間に汗をかきすぎているようだ、と気付く。(感覚が使えないため、データから分析するしかない)
では無い方がいいのか、と、なしで寝てみる(肌着は着る)
そうすると、汗はかかなかったが、途中で起きて、寝起きの感覚過敏が強すぎた。
感覚過敏が強い=睡眠の回復力が弱い状態、である。
汗をかいていた場合は寝起きの海塩が美味しいが、かいていないとミネラルの消費が少ないので海塩にそこまで美味しさを感じない、と気付く。
そういった、「外の刺激への敏感さ」はあるのに、「自分の体の感覚を察知する能力」が著しく弱い。
パジャマがあった方が回復力が高いからパジャマを着る、という「回復力の高い睡眠をとるための条件」はわかったが、この条件も季節が変わると変化するため、季節の変わり目は、不眠になる。(発達障害を自覚してからは、ぐっすり寝るための季節毎の条件を記録している)
日本のように四季の変化がある環境は、合わない。
ちなみに、私の母のように発達障害に無自覚な人間は一年中同じ寝具で寝起きしていたりする。
感覚鈍麻が強いと発達障害に無自覚になるのかもしれないが、寝具を季節によって変えるという発想がないのかもしれない。(柔軟な対応ができない)
対処としては、記録と分析。入力と出力を記録して分析する、実験の世界。
感覚過敏
「外への刺激の敏感さ」はあるため、感覚過敏で困る。先天的に聴覚と触覚が過敏、後天的に虐待の影響で扁桃体が過敏になり、味覚や嗅覚や視覚も過敏である(でも、聴覚や触覚よりマシ)
聴覚過敏、触覚過敏は睡眠の回復力の程度を含めたその時の脳の状態によって変わるが、イヤホンなしでうるさいと感じない時はない。
化学繊維の服は着れない、タートルネックや締め付けの激しい服は無理。
全ての音が混ざって聞こえる。遠くの音も近くの音も、等しくうるさい…
子供の頃からそうなので、「うるさいのが当たり前」
イヤホンや耳栓無しの生活は、考えられない。
マンションで暮らしていると物音にイライラするので(昔は、自分が過敏すぎるからという自覚が弱かったのでキレていた。今は、どのレベルで指摘しても良いのか、迷う)将来的には、一軒家に引っ越した方がいいのだと思う…
対処として、耳栓やイヤホン、天然素材でゆったりした服を着る。外に出来るだけ出ない、など
曖昧のわからなさ
曖昧がわからないため、「健康のために毎日同じ食事をする」というような状態になる。
「たまになら体に悪いものを食べていい」と言われても、たまにってどれくらい? なぜ、体に悪いとわかっているものをお金を払ってまで食べるのか、理解できない、となる。
同じ金額で一番栄養がある食品(肉)を食べるのがコスパが良い、なぜわざわざ、コスパの悪い食品にお金を使うのか理解できない、と思うので、糖質のような栄養が少ない食品にお金をかけたくないし、お菓子や砂糖や化学調味料など、害にしかならない食品は頼まれても食べない。
栄養に気を使った生活だが、ストレスが多いため、必要な栄養も多くなっていると思う(余剰分が体に回っているといいが。それでも、何にも考えずに糖質や砂糖や化学調味料やカゼインやグルテンなどを大量に食べている人よりかは、食事由来の炎症は少ないと思う。食事以外のストレスが多いのに、食事でもストレスを増やすのは、自己破壊的である。できるだけ炎症の原因になるものを避ける+抗炎症をとる、が必須
曖昧がわからないゆえに良い部分もあるので、対処は必要なし(曖昧を理解する必要がある際は、60%ぐらいかな、と、具体的に理解する)
似た者の区別のつかなさ
似た者を見分けるのが苦手なため、「男」にはこういう対応がベスト、「女」にはこういう対応がベスト、と、パターン化した対応になってしまい、個別の応用が難しい。
発達障害に無自覚で見捨てられ不安が強かった頃は、そのパターン化した対応で相手に迎合してそれなりに人間関係を乗り切っていたが、発達障害を自覚して演じるのをやめたので、今は誰に対しても淡々と喋っている。(大事な人や、仕事では、抑揚をつけて話して感情があるフリをしている
似た者の区別がつきにくいせいか、投影が起こりやすい。
父への恐怖心を世の中の男性全てに投影したり。投影を自覚して、不要なイライラを減らしているが、恐怖や怒りは90%以上、親や過去の自分の投影だと感じる。
(一般的な人もそうなのだろうか…)
対処として、投影を理解すること。無駄な怒りを減らすこと
完璧主義
曖昧がわからないため、完璧主義になってしまう。
100%を前提として考えるから、自分も周りも、足りない部分が目につく。
完璧な予定を立てて、完璧な食事をして、完璧な睡眠をとって…と、無駄に日常生活のハードルを上げていると思う。
左脳人間特有の、自縄自縛傾向…
何事も「準備しすぎ」「考えすぎ」「集めすぎ」といった傾向がある。
対処としては、セロトニンを増やして、まぁいいかという緩い感覚を増やしていくこと。適当でも死なない、大丈夫という経験を増やしていくこと
見通しが立たないと行動できない
子供の頃から想像力が弱いため、想像できないことが怖い。
子供の頃は「死」が異常に怖くて(今でも怖いけど)、今は日常生活で見通しが立たないのが不安なので、常に予定を立てている。
予定なしでは行動できない、間違いなく。
予定を立てるのは、ADHD傾向の対策もある(短期記憶が弱く、すぐに忘れるため
見通しを立てることは必要なので、対処は不要。
予想と違うと腹が立つ
想像力の弱さに起因するのだろうが、自分が予想していたことと違うと、腹が立つ。
他者はロボットではないので、予想していたことと違う反応があっても仕方ないのだが、自分が決めていたことと違うことを言われたり、予想していたことと違う発言をされたりすると、モヤモヤする(それで責めるのは、やめた
対処としては、他者は思い通りにはならないと意識すること
フラッシュバック
短期記憶が弱いのに、長期記憶が強い。昔の嫌だったこと、怖かったことなどを鮮明に覚えていて、ふとしたきっかけでフラッシュバックする
心のケアを進めて、自分でEMDRなどをしてフラッシュバックは減った気もするが、それでも、炎症が強い日などはフラッシュバックが起こりやすい
対処としてはトラウマのケアと、炎症を減らす生活習慣
(健康的な食事、十分な睡眠、ストレスの多い人から離れる、など)
人間関係の難しさ
相手の気持ちや立場を想像することが難しい。
これも、想像力に起因するのだと思う。
一方的に話してしまったり、正論だが言わない方が良いことを言ってしまったり。
質問をするか、一方的に話すか、極端なコミュニケーションになりがち。
目で見る力が弱く表情から読み取れないので、言葉で確認してしまう。
非言語のコミュニケーションが苦手で、言語のみになってしまうのと、目的のない会話が苦手なため、雑談が楽しくない。
同年代の女性との会話は苦手である…
対処として、コミュニケーションが必要ではない環境を選ぶ、パターン化して学ぶ、など
自分の感情に気付かないこと
感情把握機能の低下が、ASDに共通する症状だと思う。
それ以外は、内向型もいれば外向型もいるし、右脳が使える型もいるので、共通点は「感情がよくわからないこと」
自分や相手の感情がよくわからないため、コミュニケーションが難しいし(感情がわかる人は、「どうしたいか」で行動しているらしい)自分の感情がよくわからないため、平気だと思ってニコニコしていても、しばらくしてから泣いていたりする。
何かのきっかけで悲しいということに気付き、後から、泣いたり悲しんだりすることがある。
対処としては、自覚すること
時間感覚がない
時間の連続性がない。
部分部分の時間を生きている感覚。
その時の積み重ねで、連続した時間という感覚がない。
数時間前も、数日前も、同じ感じ。
金銭感覚がない
時間の感覚がないせいか、いつ何を買ったという認識が難しい。
家計簿をつけていないと、「いつのまにかたくさん使っていた」ということになってしまう
対処として、家計簿で管理する
まとめ
そんな感じである。
色々、克服したり諦めたりしたが、一番困るのが
・コミュニケーション
・体調不良(感覚の使えなさ)
である
コミュニケーションや、体調不良が問題にならない「在宅で働く」という手法が一番向いているため、その方向で努力しているが、感覚で過ごして体調が安定して、コミュニケーションも上手な「右脳が使える」人とは共通点が少ない。
同じ人間、同じ日本人といえど、定型発達と発達障害という違い、使える脳の部位の違いが大きければ、180度近く違うんだな、と感じる。
これを読んだ定型発達の人は、見えないだけで、色々と苦労している発達障害の人もいるんだと理解してくれたら、私のように、周りの無理解に傷つく人が減る。
できないことには理由があるのに、「なぜこんなこともできないんだ」とできる前提で指摘されると、傷つくのである…(その感情も長続きしないが。短期記憶の弱さ+感情把握の弱さ、ゆえかなぁ
私は、自分のできない理由を理解して、周りのできない理由も理解して、自分にも周りにも優しい人間を目指す。
自己理解と自己受容ができていない人間は、周りの理解もできていないから、それを反面教師にする。
私に、出来ない理由があるように、周りにも出来ない理由があるんだろう、と。
知らないものを理解できないのは仕方ないのだろうから、当事者として、発信していく。
少しでも、世の中に、発達障害の理解が深まる一助となればいいなぁと思う。